花蓮で「手揉みで作る蜜香紅茶製茶ツアー」を開催しました(其の4)

昨日の手揉み紅茶の乾燥が終わっているので、これからいよいよコンテストです。どれが一番美味しくできているかな?ということで、参加者全員の茶葉が鑑定杯(テイスティングカップ)でいれられ、ずらりと並びました。水色は、瑞穂の紅茶らしいオレンジがかった鮮紅色や水面のツヤがよく出ていて、皆合格だそうです。では、テイスティングを。

一以庵

茶青は皆同じ条件でしたが、揉みの強さや技術によってだいぶ結果が変わっていました。力の加減や茶青の扱い方で、力強さが出たりまろやかになったり、とても興味深いテイスティングでした。結果、私の分が一番美味しいとの評価をいただきました!が、見本を見せるため、ほとんど高さんが揉んでくださったので、当然の結果といえるでしょう。

一以庵

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次のお楽しみは、瑞穂の茶葉を使った禁圧茶作りです。これも、みんなとても楽しみにしていました。高さん手作りのこの装置を使います。特許取っているそうですよ。すごい!

一以庵

一以庵

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蒸気で茶葉を蒸してしなっとさ、袋に包んでてるてる坊主の頭を作ります。そして、絞ったこぶしの部分をおへそに、木製の型押しで圧力をかけます。10分ほど圧をかけたあと、取り出して布が乾来すぎない程度に粗熱をとります。取り出したのが、これ。4両(150g)の茶葉で一個つくります。まあるくてかわいい♪宝物が出来上がりました。これを水分を飛ばして保管します。乾燥の目安は、重量が150gにもどること。蒸気で帯びてしまった水分を全て飛ばすと、元の重量になるというわけです。

一以庵

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緑色のは大葉烏龍で作った毫香碧緑という緑茶、白っぽいのは紅玉で作った白茶、黒っぽいのは大葉烏龍で作った蜜香紅茶です。お饅頭みたいでラブリーです。

そろそろ帰りの時間が気になってきました。締めに、付近の名所観光に行きました。
日本統治時代から残るコーヒー園が、大自然に飲み込まれそうになりながら、たくましく存在していました。しぶとく育つ雑草に負けず、コーヒーベリーが実っています。収穫は11月だそうです。

一以庵

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コーヒー園入り口には岡田正二氏と馬有岳氏の胸像が二つ。岡田正二氏は当時の日本政府の命で、サッパ(掃叭)と呼ばれるこのあたりの土地で、紅茶・コーヒーの開拓を行った日本人です。馬有岳氏は、岡田正三氏と協力し、紅茶・コーヒー開拓を成功に導きました。このお二人の偉業で、舞鶴紅茶は今もとても成功しており、昨今の台湾コーヒーブームで、質の高い舞鶴コーヒーも蘇っています。

一以庵

大きな製茶場の駐車場には、鶴が舞う当に舞鶴のシンボルモニュメントが。

一以庵

次に、外せないのが北回帰線。花蓮は温帯の最南端、亜熱帯の最北端です。
以前はなかった大きなヤカンが記念撮影スポットとなっています。

一以庵

また、掃叭の石柱も静かな迫力を放っています。2006年に縣の遺跡に指定されたそう、それにしても、かなり大きな石柱です。太古に栄えた卑南文化の遺跡は、花蓮や台東に多く残されていますがこれもその一つで、新石器時代終わりころの三千年以上前のものだそうです。
誰がどうやってここまで運んでどんな意味をもたせて地面に立てたのか、未だもって謎なんだそうです。神秘的な代物が、こんなに身近でみられることに、感動を覚えました。

一泊二日でしたが、楽しさ満載の旅でした。
次は、台東に足を伸ばしてみたいです。でも、台東、不便なんですよね。方法を考えなければ。
ではでは。

一以庵

Hondo Yasuko

台北暮らしは1996年から。中国茶は2000年より。現在は台北の中山と天母にて中国茶教室を主宰するとともに、鎌倉と大阪で茶会やレッスンも行っています。日本語、英語でのレッスンが可能です。

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